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  6. 井関農機、次の100年に向けて、社員が事業構想に取り組む

インタビュー動画

現役院生

次の100年に向けて、社員が事業構想に取り組む

<院生インタビュー>

2025年に創業100周年を迎える井関農機では、世界人口の増加と食料問題、日本の食料自給率や国土保全の問題などをの課題に向き合い、次の100年に向けて取り組んでいる。社員の人材育成にも力を入れており、2023年度には、厚生労働省・人材開発支援助成金を活用して、3人の社員が事業構想大学院大学に入学している。そのうちの2人の院生に大学院生活について聞いた。

 

 

中村元紀さん

井関農機株式会社 総合企画部戦略企画室次長

東京校2023年入学

1976年生まれ。和歌山県出身。

広島県の大学を卒業後、井関農機に入社。趣味は空手。

販売会社出向を含めた国内営業部門の経験を経て、現在は戦略企画室に在籍。

 

村山瑶さん

井関農機株式会社 海外営業本部北米豪州営業部

東京校2023年入学

1988年生まれ。神奈川県出身。

大学時代に農業経済を学び、卒業後、井関農機に入社。

入社以来、海外営業部門を担当し、現在は主に北米地域の営業を担当している。

 

 

会社の常識と世間の常識のギャップに驚き

 

事業構想大学院大学東京校では現在3人の井関農機の社員が在学している。冨安司郎社長が厚生労働省・人材開発支援助成金「人への投資促進コース・成長分野等人材訓練」を活用して学べるコースがあることを知り、新規事業を担当していた中村元紀さんに人事部を通して「通ってみてはどうか」と打診があったのが始まりだ。

「私自身、新規事業を担当しながらもなかなか事業を生み出すことができず行き詰っていたところだったので現状を打破できる好機になるのではと期待し私の方からもお願いしました」と中村さん。併せて、「今後グローバル事業を強化する中で海外事業本部からも社員を出してほしいとお願いした」ことによって、村山さんにも白羽の矢が立った。「海外営業本部では数年前から本部内勉強会を実施していたので、マーケティングなどのスキルをアカデミックで学んで会社に持ち帰ることができればいいなと思い参加しました」

 

中村さんは入学して「他の院生が、世間で流布している思考のフレームワークをよく知っていてグループディスカッションでもそれを当たり前のように駆使していることに驚きました。会社の常識と世間の常識がこんなに違うものかと」と率直な感想を漏らす。一方の村山さんは「本で聞きかじっていたマーケティングやブランディングについて体系的に学べることが勉強になっています。先生方が皆さん実務家なので、理論だけでなく経験に裏打ちされた話を聞くことができるところもよいですね。さっそく学んだことを実務にも取り入れてみようと考えています」と話す。

 

新幹線や出張先のホテルでのオンライン受講も

 

 中村さんが受講した中で印象深かったのは地域活性とブランド戦略の講義だ。「当社が事業の基盤としている農業は地域活性と関わることが多いので、共感できるところが多くありました。また、ブランド戦略については、当社が2025年に創業100周年を迎え次の100年を構想するにあたり、コアとなる価値や進むべき方向を再確認し、共有していくインナーブランディングが重要だと考えており、そこに生かすことができれば」と話す。村山さんは大阪大学のベンチャーキャピタルの事例紹介の講義について「会社で新規事業を起こした時に、投資される対象になるにはどこに留意すべきか考える良い機会になりました。ロジカルに考えるだけでは競争優位性が弱く、最後はいかに自分が好きでやっているかという気持ちが投資を左右するというところが非常に参考になりました」と語る。

 

 国の助成金を活用して受講する場合、勤務時間内で学ぶこと、全授業の8割に出席することなどが義務付けられている。「平日の通学は、フレックス制度を活用しながら業務の時間を短くし、その分を授業時間にあてています。土曜日に受講すれば振替休日を取得することができ、会社の理解があればこそだと思っています」と中村さん。「実際に始めてみないとペースがつかめないところがあるので、当初は平日2コマ、土曜日は1週間おきに1コマ受講して様子を見ていますが、慣れてきたらもっと多く履修したいなと考えています」と村山さん。ただ出張などとも重なり8割の出席は想像していた以上に高いハードルだそうで「新幹線や出張先のホテルでオンライン受講するようにしています」(中村さん)

 

 

自分は何をしたいのかを掘り下げ、事業構想に生かす

 

 事業構想のテーマについて中村さんは「食料自給率が低い日本は食糧安全保障の問題を抱えていますが、自給率を向上させなければいけない一方で農業従事者が減少しており、取り組むべき社会課題は明確」と構想のアイデアを練っているところだ。また、村山さんにはまだ構想はないというものの「農業機械の延長線上で構想するというバイアスは外して、そもそも自分は何がしたかったのかをもう一度掘り下げ、そこから構想を具体化していきたい」と考えている。

 

 最後にお二方から、事業構想大学院大学に関心を寄せている人へのメッセージをもらった。「実践に裏打ちされた理論が学べるので、今日学んだことが明日からでもすぐ仕事になんらかのかたちで生かしていけるのが事業構想大学院大学での学びです。さまざまなバックグラウンドを持った多くの院生の方たちとともに学ぶことによって、現時点における自分自身の能力、資質、考え方を測ることのできる場でもあり、足らざるところを学ぶことができます」(中村さん)

 

「院生の方とのオープンな交流が非常に楽しく、社内でも事業部を横断して交流する大切さに気づくことができました。授業ではインプットしたことをアウトプットする訓練を繰り返し行うので、短期間で受講前とは考え方ががらりと変わりました。この年齢でも考え方が変わるくらいの気づきが得られる機会をいただいた会社にも感謝しています」(村山さん)。

 

 

 

中村 元紀・村山 瑶

中村 元紀・村山 瑶

(なかむら もとき・むらやま よう)
井関農機株式会社
東京校12期生(2023年度入学)