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現役院生

広がった思考の幅と視野を事業構想に生かす

 

プロデューサーの教育メソッドを確立

 

これまで事業活動を通じて、さまざまな会社の新規事業立ち上げに携わってきた金田さん。現在は、その経験で得た知見をもとに「プロデュースシンキング」と名付けた教育メソッドを独自に体系化した研修にも力を注いでいる。企業や自治体で新しい価値を創出するプロジェクトを推進する存在であるプロデューサーを対象にした研修の内容は、新事業開発におけるマインドセットや着眼点の醸成、またそれをふまえたチームビルディングの手法などで構成される。「会社で事業を立ち上げる人、起業する人、誰かと一緒に新事業を起こす人なども含め、あらゆる垣根を越えて通用する手法と考えており、今後は大学などで教える機会を増やしていきたい」と金田さんは語る。

 

金田さんは学生時代、企業からスポンサーを募って就活マッチング事業を手掛けたほか、在学中に世界の50の大学を回るなかで教育事業への関心が芽生えたという。卒業後は、営業学をテーマにした教育事業を展開した後、2016年に「やりたいことを始めるのに名前なんて要らない」の思いを込めネームレスを創業。大手企業や老舗企業で新規事業開発を伴走支援する事業を行っている。

 

 

MBAではなくMPDを選んだ理由

 

そのようなキャリアを積んできた金田さんがなぜ事業構想大学院大学で学ぼうと考えたのか。その理由は二つある。一つ目は、大学卒業後から、組織に属さず自身で事業を営んできたことから、視野を広げることで得られるさまざまなエッセンスを自身の事業に取り入れ、新境地を切り開きたいと考えたことだ。「経営者でなく事業構想家を目指す自分には、MBAで経営管理を学ぶよりMPDがふさわしいと考えました」。もう一つは、大学教員になることを目標としており、「プロデュースシンキング」をカリキュラムとしてさらに磨き上げていきたいという思いからだ。「事業を構想していくこととは、自分がもともと関心を持っていたことや身近なところから価値の種を発掘して、さまざまなリソースをパズルのようにはめ込んでいくプロセス、すなわち0.1を1にすることです。まさに、大学院の授業で、先生や学生それぞれの考えや発想を生かし、プロデュースシンキングをさらに深めていきたいと考えました」。

 

授業を通して得られる新たな視座

 

金田さんは大学院で岸波宗洋教授と松永エリック・匡史教授の二つのゼミに所属している。岸波教授の講義については、「答えを教えるのではなく上質な問いを与えてくれる先生。自分が今までやってきたことを内省化して表面化するプロセスを経て、自分一人では考えきれなかったことや視野になかったことがあぶりだされ、今後の事業構想に生かせると感じました」。また、エリック教授の講義については「多様な経験から自分の視野の外からのヒントや具体例を伝えていただける先生です。常に学生と共通する糸口を探っておられ、それがパチッとはまると視界が一気に広がるような不思議な力を感じます」とそれぞれから得られる気づきや視点について語る。2人の教授のアプローチは全く異なるそうだが、共通点として感じるのは、「市場をとらえるとか、ビジネスをうまくやるとかいう以前に、自分という事業構想家としての人間をどのように捉え、自身の思いをストーリーにしてどう表現し、そこからディテールに落とし込むプロセスを作ろうとされていること」と金田さん。また、他の講師を含め大学院全体を通して「自分の事業構想に当てはめてみるとどうなのかという視点を与えてくれる」とのこと。「特に見山謙一郎特任教授のアントレプレナーシップ講座では、バングラデシュにおけるソーシャルビジネスという題材をもとに事業を企画していく流れをわかりやすく講義してくださり、チームでワークショップをしながら新しい事業を企画する体験ができたことは印象に残っています」。

 

リアルな講義だからこそ得られる即興性を求めて

 

大学院はオンラインでも受講できるが、金田さんは出張などで東京を離れない限りリアルの講義に出ることを心がけている。「そこでしか得られない即興のコミュニケーションの妙を感じることができるだけでなく、講師やゲスト講師と授業の時や休み時間に交流できるのでそういう時間を大切にしています」とその理由を語る。また、授業の後には大学院生どうしで集まって食事をする機会にも積極的に参加している。「それぞれがどのような事業構想を考えていて、どの先生からどのようなフィードバックを受けてどう変えていっているのかという番外編を授業が終わった後も話すことでお互いに刺激を受けています」。学生どうしのコミュニケーションについては「僕は33歳で若手の方なのですが、皆さんとてもフラットに接してくださり、同志のように感じることができます。これも大学院の風土ではないかと感じています」と話す。

 

金田さんは、事業構想大学院大学での学びをもとにプロデュースシンキングをどのように発展させていこうとしているのだろうか。「岸波先生やエリック先生からは、僕自身の可能性はプロデュースシンキングだけに収まるものではなく、自分自身の魅力をさらに理解する、あるいは10年後を見据えてもっと広く大きいダイナミズムを目指していける、と言っていただきました。具体的にどう発展させられるのか、ようやくイメージが見えてきた程度ですが、一人ひとりの生き方に根付くような事業構想をしていきたいですね」。  

 

最後に、大学院への入学を検討している人へ金田さんからのメッセージをいただいた。

「事業を構想していくことは一見すると苦しいことだと思われますが、この大学院では楽しみながら自分の魅力に気づくことできます。また先生や学生と話しをしながら違いを見出して自分ならではの事業構想を作っていける場です。世界で唯一のMPDで同じ志を持って一緒に学べることを楽しみにしています」。

 

 

金田 隼人(株式会社ネームレス代表取締役 )

金田 隼人(株式会社ネームレス代表取締役 )

(かねだ はやと)
株式会社ネームレス代表取締役
東京校11期生(2022年度入学)