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    自ら築いた組織開発のコンセプトに磨きをかける

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現役院生

多彩な知見と考えに触れ
自ら築いた組織開発のコンセプトに磨きをかける

 

 

〈プロフィール〉

石原 健一朗さん

ダイドーグループホールディングス株式会社

大阪校2023年度入学

 

大学卒業後、京セラ株式会社に入社。人材開発、組織開発に従事し、階層別教育や役職別教育を新規で立ち上げ、教育体系を再構築した。2015年にダイドードリンコ株式会社に入社。現在は、採用、人材教育、組織開発全般を統括しながら、次世代リーダーの育成選抜プログラムをはじめとする教育体系の構築を行っている。

 

 

副業で組織開発のコンサルティングも

ダイドードリンコの人事総務部人財開発グループで統括責任者を務める石原さん。事業構想大学院大学に入学したのは、2023年6月、ダイドードリンコと大阪府太子町、事業構想大学院大学の3者で「地方創生の推進に関する包括連携協定」を締結した後に具体的な取り組みとしてスタートした「大阪府太子町 未来への道プロジェクト研究」にかかわったことがきっかけだ。「当初はプロジェクトに研究生として参画する予定でしたが、どうせなら事業構想大学院大学の本科生としてしっかり学んだ方が自分のためにもよいのではと思い、入学を決めました」。学費については、2022年度に新設された厚生労働省・人材開発支援助成金「人への投資促進コース・成長分野等人材訓練」を活用(授業料330万円のうち最大300万円が助成される)できたことも後押しになったという。

石原さんは大学を卒業後、京セラで10年ほど人材開発及び組織開発部門に従事した後、2015年にダイドードリンコに転職。現在は、新卒の採用、若年層教育、役員、管理職も含む階層別教育、人事制度構築や戦略策定など人事政策全般を統括しているほか、新規事業にもつながる施策の責任者も担当。また、副業として、自ら起業した会社で、アドバイザリー契約を結んだ5社に対し人事コンサルティング業も行っている。「会社が費用を負担して越境学習のような研修を受けさせるより、自らやりたいことを事業化して外部からフィーをもらえるくらいの価値創出ができる副業をする方が、経営リーダーの育成には有用と考えており、副業を認めているのもそうした意味合いがあります」。石原さんは自らそれを率先して実践している。

 

 

潜在ニーズが強い組織開発サービスの構築を目指す

事業構想大学院大学の2年間で取り組んでいきたいテーマについては「人材や組織にかかわるサービスで、企業に人事担当者や経営者がこういうものがあればいいなと思うようなサービスを開発したい」と語る。中でも事業のターゲットにしているのが組織開発領域だ。「人材開発は本人に知識とスキル習得などを支援していけばよいのに対し、組織開発は人と人、組織と組織、という目に見えない関係を構築していくもの。その会社の組織の現状を踏まえたうえで必要な人材を、ファームを超えて組成していくことが理想ですが、そうしたサービスが提供できるところはまだどこにもありません。今後、副業人材がもっと増えてくれば、真の意味で組織開発に必要な人材を集めて派遣する事業がやりやすくなってくるのではと考えています」と、方向性を語る石原さん。

そうしたサービスに対するニーズは、自身の組織開発の経験と副業でコンサルティングしている他社の実態もふまえ、潜在ニーズが強いという確かな手応えを得ている一方で「組織開発がその会社でどれだけ効果を発揮できるのかをどうすれば伝えられるかが課題」とも述べ、「まずは自分の会社で試しながら中身を磨き上げていきたい」と語る。

 

 

「自分が本当にそれをやりたいのか」が問われる

事業構想大学院大学での学びについては「先生の授業、一緒に講義を受けている院生との対話によってさまざまな着想、気づきが得られることが楽しい」と話す。特に、石原さんが、面白いと感じている講義の一つが田浦俊春客員教授の「イノベーションの思想」だ。「私がこれまで京セラの稲盛さんが語られたストーリーをはじめ組織開発に携わってきた経験で得たさまざまな知見をもとに生み出したコンセプトと、田浦先生が唱える、イノベーションの本質である科学と技術をつなぐシンセシスにあるという考え方は、同じことを違う角度からとらえていることがわかり、自分の考えていたことが整理できました」。その一例として挙げたのが「稲盛さんは五感を大切にせよと述べ、田浦先生は視覚に頼りすぎず聴覚を大事にせよ、と言われます。そして、脳科学者の茂木健一郎さんも盲目のピアニストとの交流の事例を挙げて視界から入ってくる情報にひっぱられてしまう難しさを説明していました。情報に惑わされず、これをやったら楽しそうだなとワクワクするような課題について探究することで、自分が立ち向かう真の仮説にたどり着けることにあらためて気づくことができました」

また早川典重特任教授のゼミからも大いに刺激を受けているという。「早川先生は、事業構想の根本には社会課題の解決があったとしても、そこに自分が本当にやりたいという気持ちが乗っからなければうまくいかないというようなことを話されます。そうやって自分が本当にやりたいことは何かを問いかけてくるのが早川先生の授業の本質です。私は自身の思いをとても大切にしており、また、どんなテーマでも本質が何なのかについて常に感がていますが、早川先生にもそれが響いているのか、私の考えに非常に興味を持ってくださって深掘りしてくださるのがわかるので、その時間がすごく楽しいですね」といきいきした表情で語る。  

院生どうしの交流についても「皆さんの事業構想の考えに触れられるだけでなく、会社では出会わないようなタイプの方が多いので、こういう人はこういう考え方をするのだなと、人事の目線で分析し、いろいろな気づきが得られるところも面白い」と語る。

「これからの時代、人事や組織開発の領域だけではありませんが、自社の事例、ケースしか知らないような人は通用しなくなってきます。私は他のビジネススクールも経験していますが、事業構想大学院大学ほど多彩な背景を持った人たちと交流し、対話をし、人材や組織、ビジネスモデルに関する知見を広められる場はないと思っています」

 

 

石原 健一朗

石原 健一朗

(いしはら・けんいちろう)
ダイドーグループホールディングス株式会社
大阪校6期生(2023年度入学)