インタビュー動画
事業承継予定者として
新規事業の構想をつくり上げる
<プロフィール>
兼田 直樹さん
株式会社新生堂薬局
福岡校 2023年度修了
ブランディングの必要性を痛感
いとこが社長を務める新生堂薬局で、現在は集客全般を担当する事業を任されているという兼田さん。社長は12歳上で、「いずれは私が社長から事業を承継する予定」だという。「社長自身は僕の今の年齢のころに社外で勉強をしにいった経験があったことに加え、一緒に働いている弟やドラッグストア部門を担当している本部長も事業構想大学院大学で学んでいたこともあったことから、『おまえもしっかり勉強して来い』と言われ入学することにしました」と入学の経緯を語る。
入学時は、妻が2人目の子どもを妊娠し、1人目の長男がまだ小さかったことに加え、仕事の方も部署を異動したばかりの時期と重なった。「いろんなことが一度にやってきた状況のなかで夜に大学院に通うことは正直大変でした」と振り返る。
苦労しながら通った大学院の授業では、主ゼミで所属した小栁俊郎特任教授の「ブランディング」の授業が印象に残っているという。「自分ではこれまであまり触れたことのない分野であり、自社、自店のブランドを強くし、広めていくための具体的な事例を聞いてすごく面白いと感じました。ドラッグストアや調剤薬局業界は過当競争で飽和状態にあり、地場企業として存在感を示していくためにはやはりブランディングが必要だと痛感しました」と語る。
また、兼田さんは「私は薬学部の出身で薬のことしか勉強してきませんでしたし、周囲も医療関係の人間ばかりに囲まれてきたので、異なる学問領域の話に触れる機会がこれまでほとんどありませんでした。事業構想大学院大学に通うようになって、さまざまな分野の授業を受けたことによっていろいろな分野のことに関心がわくようになり、自分の好きな講義を選んで学ぶことがとても楽しいことなんだと感じました」と、大いに刺激を受けた様子だ。
「正解がないと言われる時代。自分の会社が苦境に陥った時のことも想像しながら、それを防ぐために自分はどのような能力を持つべきかを考えるようにもなりました。一緒に学んだ同期が兄貴のように慕うことのできる人たちばかりでかわいがってもらえたことも、大学院に通う原動力になりました」と2年間を振り返る。
事業構想を具現化したお店を9月にオープン
事業構想大学院大学で考えた事業構想を今は実践に移している段階だという。「事業構想計画書を社長に見てもらったところ、実際に事業として立ち上げてみたらどうか、と言われました。ドラッグストアはどこも似たような品ぞろえをしていますが、そうではなく、しっかりとコンセプト作りから行い、そのコンセプトに基づいて商品をそろえたお店を9月にオープンする予定です。会社としても初めての取り組みで、今はオープンに向けて超ハードな日々が続いています」と充実感を漂わせた表情で語る。
「私は企業から派遣されるかたちで通うことになりましたが、社会人になってからまた新しい自分を見つける良い機会になりました。同期生のなかには大学院に通うことで自分のライフプランを見直し、部長職から転職された人もおられます。ここは人生のターニングポイントになる場。事業構想大学院大学でぜひ新しい道を見つけてほしい」と話す。
兼田 直樹
(かねた なおき)
株式会社新生堂薬局
福岡校5期生(2023年度修了)