院生紹介
豊富な知見と実務経験を有する社会人院生たち。
社会の一翼を担う事業を創出する人材を、多数輩出している事業構想大学院大学。
幅広いフィールドにて事業構想を実践しつづけている、院生の活躍を紹介します。
瓶子 昌幸
大阪校13期 [2024年度入学]
ノックオンザドア株式会社
神経疾患領域における音楽療法の事業化に向けて
■ご所属や現在のお仕事について
私は東京に本社を置くITベンチャー企業に所属しており、企業派遣という形で本学に通学しています。 勤務地は大阪での在宅勤務、もしくは大阪近郊のオフィス勤務が中心のため、通学先として大阪校を選択しました。 業務内容は、主に医療分野におけるデータ解析です。てんかん患者を中心とした多数の患者データを収集・分析し、そこから有用な知見を導き出す仕事を担当しています。 専門はデータ解析ですが、これまで生物系・医学系の研究分野に携わってきたバックグラウンドがあります。
■本学への入学を決めたきっかけと
入学のきっかけはとてもシンプルで、2024年のお正月に新聞広告を見て「何となく面白そうだな」と直感的に感じたことでした。 当初から「ここでこれを身につけたい」といった明確な目的意識があったわけではなく、純粋な興味が出発点でした。 企業派遣についても、最初から想定していたわけではありません。 当初は自費で通学する予定でしたが、社内で経理担当の方と話す機会があり、あわせて厚生労働省の助成金制度の存在を知りました。 その流れで会社に相談したところ、「企業派遣という形も検討できるのではないか」という話になり、結果として企業派遣が実現しました。 計画的に進めたというよりも、いくつかのタイミングが偶然重なった結果だと感じています。
■企業派遣にあたって、社内調整や苦労した点
勤務先は立ち上がって間もないITベンチャー企業で、企業派遣の前例がありませんでした。 そのため、スキル習得や人材育成に関する社内規定が存在せず、それらを一から整える必要があった点は、やや手間がかかりました。 ただし、「派遣してよいのか」「前例がないから難しい」といった点が大きな問題になることはなく、全体としては比較的スムーズに進んだ印象です。 むしろ大変だったのは、行政や関係窓口とのやり取りの部分でした。
■企業派遣として、会社から求められている報告や制約
特別な報告義務や厳しい制約はありません。 裁量労働制という立場でもあり、基本的には成果重視の考え方が取られているため、「企業派遣だから」という理由での細かなルールは設けられていません。 ただし、社会人としての常識の範囲で、講義を通じて得た気づきや近況については、自主的に共有するようにしています。
■入学してからの大学院生活を振り返って
率直に言うと、「大変だった」と感じることはほとんどありません。 というのも、私は過去に研究中心の大学院に在籍していた経験があり、その当時はほぼ365日研究室にこもり、家に帰れない生活を送っていました。 論文執筆に追われ、精神的にも体力的にも非常に厳しい環境でした。 それと比べると、現在の大学院生活は非常に恵まれており、個人的には「天国のようだ」と感じています。
■本学ならではの魅力
最大の魅力は、幅広い分野の第一線で活躍している教員や実務家の講義を、一つの場所で体系的に受けられる点だと思います。 本学では、質の高い講義を正規の学生として受講できます。 また、多様な視点や考え方がオープンに提示される点も、大きな魅力だと感じています。
■特に印象に残っている講義
最も印象に残っているのは、山中先生の社会動向と事業構想の講義です。 私は以前、製薬会社に在籍し、患者支援活動やNPO支援に関わっていました。 その中で強い思いを持って支援していた団体があったのですが、授業を通じて、その団体と山中先生がつながっていたことを知りました。 専門分野は全く異なるにもかかわらず、こうした偶然の縁が重なったことが非常に印象的でした。 また、受講生の人数が比較的少なく、少人数で密度の高い議論ができた点も魅力でした。 この講義だけでも「入学してよかった」と思えるほど、私にとって価値の高い経験です。
■会計・ファイナンス系の講義について
古田先生の会計やファイナンスの講義は非常に有益でした。 私はこれまで経理や会計を専門的に扱ってきたわけではなく、正直なところ、そうした分野は苦手意識がありました。 しかし、この講義では単語や数字の説明に終始するのではなく、「なぜそう考えるのか」という背景や考え方から丁寧に解説されるため、一度聞いただけでも理解が深まりました。 簿記や会計用語に馴染みのない人にとっても分かりやすく、実務に直結する内容だったと思います。
■2年次ゼミを受講してみての感想を教えてください
田村先生のゼミを受講していますが、コメントが短く、かつ非常に的確だと感じています。 他の先生では指摘が長くなることもありますが、田村先生は要点を外さず、必ず実務や構想に活かせる助言をくださいます。 無駄がなく、信頼できるコメントで、とても満足しています。
■院生同士の交流について
私自身、院生同士の交流はそれほど多くありません。 平日の講義のみを受講しているため、土曜日中心に通学している院生の方々と接する機会が少ないことが理由です。 実際に関わりがあるのは、ゼミや講義内でのグループディスカッションが中心です。 そのため、プライベートを含めた深い交流という点では、限定的だと感じています。
■現在考えている事業構想について
本学に通う目的の一つは、将来的に「難病患者を支える支援者を支援する」事業、いわゆる支援者支援を形にしたいと考えていたことでした。 しかし、1年間さまざまな構想を検討する中で、事業化のハードルの高さを実感し、2年次からテーマを変更しました。 現在は、神経疾患などで意思疎通が難しい方々のQOL向上を目的とした事業を検討しています。 具体的には、臨床現場で行われている音楽療法を、何らかの形で事業として展開できないか模索しています。 最終的に事業化が難しいという結論に至る可能性もありますが、現時点では、神経難病の患者やその家族の生活の質を高める取り組みとして構想を進めています。
■本学に興味を持っている方へのメッセージ
本学を検討される際、一般的なMBAなどのビジネススクールと比較される方も多いと思います。 もし「名刺にMBAと書きたい」「汎用的なビジネススキルを体系的に身につけたい」という目的であれば、他にも選択肢はあるかもしれません。 一方で、「今の社会の在り方を少し変えたい」「自分の中にある違和感を形にしたい」「人と違う自分を肯定したい」と感じている方にとっては、本学は非常に適した環境だと思います。 多様な価値観を持つ人が集まるため、戸惑いやフラストレーションを感じる場面もありますが、その経験自体が物事を前に進める力につながるはずです。 長い目で見れば、必ずプラスになる場所だと感じています。