院生紹介
豊富な知見と実務経験を有する社会人院生たち。
社会の一翼を担う事業を創出する人材を、多数輩出している事業構想大学院大学。
幅広いフィールドにて事業構想を実践しつづけている、院生の活躍を紹介します。
田山 久倫
福岡校12期 [2024年度修了]
一般社団法人マリンハビタット壱岐 代表理事
壱岐から世界へ。海と人の「住処」をつくる事業構想
■「マリンハビタット」という名前に込めた思いと、活動の拠点について教えてください。
「マリン」は海洋、「ハビタット」は生息地や住処という意味があります。
海の生物たちの住処をつくるだけでなく、海に関わる人々の住処もつくっていきたいという思いを込めて、「マリーンハビタット」と名付けました。
活動の拠点は壱岐で、ここをモデルに全国、そして世界へ展開していきたいと考えています。法人は30歳のときにUターンして立ち上げました。
■壱岐に戻り、事業を始めようと思ったきっかけは何だったのですか?
18歳まで壱岐で育ち、その後は野球を続けながら大分で大学生活を送り、会社でも野球をしながら働いていました。
30歳までは壱岐に戻るつもりは全くなく、地元に貢献しようという意識もありませんでした。
転機になったのは、社会人として諫早市で過ごしていた頃に参加した青年会議所での活動です。
青少年育成や地域活性化に関わる中で、ふと「壱岐のためには何もしていないな」と気づき、地元への恩返しをしたいという思いが芽生えました。それがUターンを決意した理由です。
■事業の立ち上げは順調でしたか?
正直、全くうまくいきませんでした。
何をするかも決めないまま年明けに会社へ辞意を伝え、「壱岐のための事業をします」とだけ言って退職しました。
計画もなく、海洋事業との出会いも偶然で、最初の2年半は試行錯誤の連続でした。事業と呼べる形には、なかなかなっていなかったと思います。
■そこから大学院へ進学することになった経緯を教えてください。
ある社長さんとの会話がきっかけでした。
「若いから、こういう学校に行ってみたら?」と言われ、初めてこの大学院の存在を知りました。
ウェブサイトを開いたところ、申込締切が翌日で、直感的に「これは申し込むしかない」と思い、そのままエントリーしました。
熟考というよりも、ご縁に背中を押された感覚でした。
■大学院での経験は、どのように事業に変化をもたらしましたか?
授業を通して、事業構想の発想法から実現に向けた計画の立て方、ファイナンスまで、事業を形にするための一連のプロセスを身につけていきました。
以前は感覚的に動いていた部分が多かったのですが、今では根拠を持って事業を組み立て、説明できるようになったと感じています。
■大学院の中で、特に印象に残っていることは何ですか?
事業構想の授業で、自分の考えを言語化していくプロセスが強く印象に残っています。
漠然とした思いを言葉にすることで、事業の方向性が明確になっていきました。
先生方からのフィードバックも的確で、毎回新しい気づきがありました。
■仲間との出会いについては、どのように感じていますか?
感度の高い仲間たちと出会えたことは、何よりの財産です。
社会課題に本気で向き合っている人たちばかりで、話すだけでも刺激になります。
卒業後もつながり続けられる関係性が築ける点は、この大学院ならではの魅力だと思います。
■現在、壱岐ではどのような活動を展開していますか?
海洋環境の保全や地域活性化を目的に、さまざまなプロジェクトを進めています。
地元の漁師さんや行政とも連携しながら、持続可能な海の利用を目指しています。
地域の人々との信頼関係を築くことが、何より大切だと感じています。
■今後の展望と、若い世代へのメッセージをお願いします。
壱岐を持続可能な海洋モデル地域として確立し、その仕組みを全国、そして世界へ広げていきたいと考えています。
若い世代には、自分の地元や社会に対して「何かできるかもしれない」と感じたら、ぜひ行動してほしいです。
最初は不安もあると思いますが、仲間や支援者は必ず現れます。
自分の思いを信じて、一歩踏み出してみてください。