院生紹介

豊富な知見と
実務経験を有する社会人院生たち。

院生紹介

社会の一翼を担う事業を創出する人材を、多数輩出している事業構想大学院大学。
幅広いフィールドにて事業構想を実践しつづけている、院生の活躍を紹介します。

ItsurouSakamoto

大阪校6期生 [2023年度入学]
特殊石油製品専業メーカー

刺激溢れる院生生活ものづくりで未来を拓く事業構想

視野が広がり、新たな事業構想が次々に

日本グリースは潤滑油メーカーだ。その潤滑油の中でも、ベアリングの軸受などを作る際の製造工程で使用する材料として使われる特殊な潤滑油を製造販売している。同社は、軸受や機械や自動車部品などの製造に使われる加工品を加熱して冷却する熱処理油分野では、世界シェア17%を誇る。坂本さんは、営業を担当しながら、熱処理分野におけるJIS規格改定委員、全国石油工業組合や全国工作油剤工業協同組合、西部金属熱処理工業協同組合の委員を務め、1級金属熱処理技能士や職業訓練指導員の国家資格も取得している。現在は西部金属熱処理工業協同組合の委員として、工科高校の生徒にものづくり業界への就職活動として授業もしている。「日本刀や戦艦大和を作る伝統を持つ日本の熱処理技術は世界一。熱処理はものづくりにおける基幹産業なので、技能のことに深く精通したうえで、その魅力をわかりやすく広めたいという思いで取り組んでいます」と思いを語る。

もともと自分の経験を生かしたアイデアをもとに事業を起こしたいと考えていた坂本さんは、そのためにMBAで学ぶことを考えていたという。あるとき地下鉄の広告で事業構想大学院大学の存在を知り、「アイデアを出すところからそれを事業にして収益を得て持続する事業に磨き上げていくという発想はMBAにはなく、ここで学ぼうと考えた」と話す。

受講してまず刺激を受けたのが、藤井康弘教授の「クリエイティブ発想法」だったという。「講義では、俯瞰してみる鳥の目、さまざまな角度から見る虫の目、流れを見る魚の目という見方を教わり、熱処理について前工程から後工程のことまで広く見ることができるようになりました。無意識にその見方ができるようになり、会社の仕事でも役立っています。また、ものづくりには遊び心が必要で、日々の雑談の中で新しいものを結合させることで生まれるということも習いました。そうした考え方から様々な事業構想を生み出すことができています」と語る。

院生どうしの交流も刺激的だという坂本さん。同期との飲み会、先輩院生とのゴルフなど積極的に交流の場に参加している。「事業構想大学院大学に通っていなければ出会えないような人たちばかり。仕事上の付き合いでできる会社の人脈と違って一生モノの付き合いができると思っています」。坂本さんは会社派遣ではなく自身で入学したが、事業構想大学院大学の魅力に触れ、仲のいい同僚にも入学を勧めたところ実際に入学して学んでいるという。

 

自らのキャリア生かし、定まった事業構想

栽培漁業や船、再生油などに関するさまざま事業構想のアイデアが浮かぶ中、1年次の事業構想の発表では、船に関する構想を発表した。「ただその時の藤井先生のコメントに、坂本君は本当にそれをやりたいの?と書かれていて、はっと気づかされました。本当に構想を事業化していくことを考えた時にこれは単なる自分の趣味の延長だと感じたのです」。そこからもう一度構想を練り直した。「とくにこの3月にイノベーション発想法の授業を取っていた東京、名古屋校の院生とも交流し、話をしていると非常に新鮮で、固定概念が取り払われた気がしました。あらためて先輩院生の事業構想を読んだり、会社のOBの意見も聞いたりしながら、熱処理技術を教える学校を開設する事業構想に行きつきました」と語る。

「熱処理は世界に誇る日本の技術でありながら、それを学ぶ専門学校がなく、熱処理の聖地である関西には職業訓練校もないのが実状です。金属熱処理技能士の資格を取得するにも、業界団体の勉強会こそありますが会社に勤務しならが独学で学ぶしかなくカリキュラムもありません。技能実習制度を廃止して新たに設けられる育成就労制度の対象職種に熱処理も入っており、今後は外国人労働者を育てる社会的要請もあります。熱処理分野でJIS規格の改定委員を務め、職業訓練指導員、1級金属熱処理技能士を持つという稀有なキャリアがそこでこそ生かせると考えました」といきいきとした表情で語る。今後ものづくりで、より普及する3Dプリンタ、さらに射出成形機の技術などと融合、組み合わせたカリキュラムにして、イノベーションしたいと考えている。

「今後1年間で事業構想を磨き上げ、技術者がより脚光を浴びるようにし、日本を名実ともに優れた技術立国に持っていくお手伝いをしたい」と力強く語る。