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※開催終了しました。

イベント セミナー 【オンライン】1月25日(火)

事業構想大学院大学セミナー【オンライン】
「アイデアと人財育成で未来を構想」
老舗郷土料理店「青柳」若手経営者の挑戦

背景

熊本市の中心部で50年以上の歴史を持つ郷土料理店の老舗「青柳」。2016年の熊本地震による店舗の大損壊、営業停止、新築再建という大きな試練に引き続き、2020年からコロナ禍によって再び大きな打撃を受けています。

 

しかし、飲食業が大きな減収の影響を受けているところ、青柳では直近1年間で5.5%の減収で持ちこたえています。それは、社員が一丸となって取り組んだ創意工夫の結果でした。

 

倉橋篤社長は北海道生まれ。もともと熊本とは縁はなく、北海道大学を卒業後、大手建設会社に就職していました。同僚で後の二代目女将となる妻・恭加さんとの出会いがあり、それを縁に建設会社を退職し、なだ万等での修行を経て入社、社長に就任という異色の経歴の持ち主です。入社当時は、調理場とサービススタッフとのコミュニケーションが円滑に行っていない状況で、さまざまな取り組みを行う中で徐々に働きやすい職場への改革を進めていっていました。改革を進めるさなかに、熊本震災が発生し、店舗は営業が継続できないほどの大損壊をうけてしまいました。困難な中でも倉橋社長は被災していた方への炊き出しを社員総出でおこなうことを即座に決断します。

 

そうした姿勢が社員はもとより地域でも高く評価され、熊本商工会御所「人を幸せにする経営大賞」「日本でいちばん大切にしたい会社大賞・審査委員会特別賞」を受賞しています。

 

コロナ禍が続く中においても、事業構想大学院大学(福岡校)に社会人大学院生として在学し、未来に向けた構想を考え続けています。

 

今回のセミナーでは、第六波が迫る中で、危機においても決して希望を失わず、未来を見据えて構想し続ける倉橋社長、女将として支える倉橋 恭加さんからお話を伺います。

プログラム

日時  2022年25日(火)14:00~16:00 

会場 オンライン生中継(熊本郷土料理店「青柳」および事業構想大学院大学より生中継)

 

参加 無料

※新型コロナウイルス感染拡大に伴い、オンラインのみでの開催と変更します。ご了承ください。

 

プログラム(敬称略)

 

14:00~15:00

第1部 講演「震災とコロナをアイデアと人財育成で乗り切る」

倉橋 篤  熊本郷土料理「青柳」(有限会社親和商事)代表取締役社長

 

15:10~16:00

第2部 トーク「コロナ禍を乗り越えるための事業構想」

倉橋  篤  青柳(有限会社親和商事)代表取締役社長

倉橋 恭加  青柳女将

納富 昌子  事業構想大学院大学客員教授/RKB毎日放送エグゼクティブ・アドバイザー

 

参考

熊本の郷土料理 青柳 公式 (aoyagi.ne.jp)

熊本地震後に再建した本店

日本でいちばん大切にしたい会社大賞

熊本藩細川家の御膳を再現した「本丸御膳」

登壇者

 
倉橋 篤 (くらはし あつし)

青柳(有限会社親和商事)代表取締役社長

事業構想大学院大学(福岡校)修士課程在学

1976年北海道生まれ。北海道大学卒業後、大手建設会社入社。同僚が後の二代目女将となる妻・恭加さん。職場結婚し、建設会社を退職し、なだ万等での修行を経て入社。働きやすい職場への改革を進め、2021年に第11回日本でいちばん大切にしたい会社大賞・審査委員会特別賞を受賞。事業構想大学院大学(福岡校)に社会人大学院生として在学中。

倉橋 恭加 (くらはし やすか)

青柳二代目女将

1971年熊本県生まれ。熊本第二高校、共立女子大学卒。(株)大林組東京本社不動産開発事業部にて勤務後、家業を継ぐべく、なだ万にて仲居修業。2010年より青柳若女将、2015年より代表取締役女将に就任。

納富 昌子  (のうとみ まさこ) 

事業構想大学院大学客員教授

RKB毎日放送エグゼクティブ・アドバイザー

RKB毎日放送入社後、全国でも初めての女性放送記者として現場を経験。永年RKBニュースワイドのキャスター。現在西部ガス・福岡国際空港など地元企業のアドバイザーもつとめる。マイケル・サンデルハーバード大学教授の福岡招聘はじめ、数々の地域創生や生涯学習・文化イベントをてがける。

参考記事

ひたすら新しいことに
取り組んだ2020年

2020年4月から5月のゴールデンウイークにかけて、新型コロナによる1回目の緊急事態宣言が出され、熊本県内も大きな影響を受けた。

「店舗での営業に規制がかかったため、ひたすらテイクアウトに注力しました。FacebookやInstagramで積極的に情報発信をしました。ありがたいことに、常連さんを中心に3000円のお弁当を1日平均約100個売上げることができました。また、全国で学校が一斉休校になった際には、ワンコイン500円で子どもさんを1日預かり、ランチを提供する取り組みを約2週間行いました。これは採算を考えてということではないのですが、子どもと一緒に料理体験をして、空いている個室を使って宿題や映画を観るなどして、子どもたち同士で仲良くなってもらうきっかけ作りをしました。仕事で子どもを預けるところがない親御さんなどには、とても好評でした」と社長の倉橋氏は語る。

2020年8月のお盆頃には、コロナの第2波がやってきた。雇用調整助成金も活用したが、それだけに頼ることは社員のモチベーション維持にとってよくないと考えた倉橋氏は、コロナ禍の中で受け入れられるサービス開発に積極的に取り組んでいった。

「ECサイトのアプリを活用して、家庭でも気軽に釜飯や、馬刺しが食べられる商品を開発して、スマホで注文いただけるようにしました。馬刺しは県外の方からも注文を多くいただきました。また、個室がたくさんあることを活用して、ランチミーティングプランをつくりました。個室でお弁当を食べていただき、プロジェクターも用意して会議に利用していただいて、好評でした」

 

ホームランよりバントで結果を

2021年1月の第3波では、青柳として初めて「おせち」に挑戦した。三段のおせちを限定100個1個4万5000円で販売したところ、完売。また、恵方巻は例年であれば1000本出るところ、社員総出でPRして7800本を販売した。

「夜中の10時に集合し、作業を終えたのは次の日の夕方で、久々の徹夜でした。大変でしたが、仕事があることのありがたさを痛感しました。コロナ禍では様々なことに取り組みましたが、野球に例えると、ホームランは狙えないけれど、バントでコツコツ繋いでいくことで点を獲得しようという作戦で、第1波から4波まできました。その結果、直近の売上減少は、-5.5%ですみました。これには我々も驚いたのですが、結果的に、ホームランよりバントの方が強いなと思いました」

 

3つの目利きで構成する
「SDGs2030ビジョン」

2021年5月にコロナの第4波が来た時、倉橋氏は「これからはコロナに対して応急的に対応するより、先を見据えてじっくり取り組むことが重要」との思いで、10年先を目指したビジョンの作成を決断した。

「『SDGs2030ビジョン』を社内一丸となって、半年かけて作成しました。これは、食の目利き、人の目利き、時の目利きの3つの目利きから構成されています。『食の目利き』では、こだわり食材を生かし切るような料理を考えます。様々な食材がある中で、良い食材を廃棄ロスなく生かし切ることが重要です。例えば、熊本地震の被害の大きかった熊本県益城町は大根が美味しい地域ですが、『復興だいこん』という銘柄を取り入れることによって、地元産の割合を増やすことができます。また間接的に復興に向けた寄附もできます」

2つ目の「人の目利き」は、人の魅力を生かした職場を目指すものだ。これまでも、技術コンテストなどの様々な取り組みを行い、半年に一回表彰し、勉強会を行っていたが、さらに進化させていく予定だという。

「10年後には、一人ひとりが資格や社内スクールでスペシャリストとなり、飲食業全体のためのスクール『青柳カレッジ』を作りたいと思っています」

3つ目の「時の目利き」は、百年の時を繋ぐ生きた伝統文化の継承を指す。震災前は、熊本城内の店舗で200年前の熊本細川藩の料理を再現した本丸御膳を提供していたが、これを再開し、地元産食材を使用した地元のストーリーを創るきっかけになるよう取り組んでいく。また、花童という少女舞踊団に熊本民謡を踊ってもらうサービスも座敷で行っているという。

(月刊事業構想2022年1月号より)

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